ポータルサイトの運用道場 運用に関するノウハウを提供

どのような分野がポータルサイトに向いていますか?

ポータルサイトを企画するにあたり、分野によりそれぞれメリット、デメリットなどがあれば教えてください。

分野を考えるうえで使えるサイトをご紹介

まったく馴染みが無い分野を扱う場合、その分野に対してまず勉強をするところから始めなくてはいけません。

もちろん馴染みがある分野でも、さらなる向上のための勉強は必要となりますが、ゼロから知らない分野に対して勉強するというのはそれほど簡単なことではないと思います。

ポータルサイトを運用するというだけでも、それ自体が新たな試みとして勉強をしていくということなので、それにプラスして、新たな勉強要素を取り入れるのは、よほどの努力が必要になることが予想されます。

馴染みのある分野という事は、そこに多少なりとも興味があるというケースが多いです。興味があれば、勉強する意欲もわいてきます。

勉強することで得た知識を、ポータルサイトにコンテンツなどで盛り込むことにより、サイトの専門性が高くなり、Googleからの評価も高くなります。また同時に、そのような専門性の高いサイトにはコアなユーザが集まります。

薄く広い情報はすでに他のサイトに掲載されているはずです。さらに深く振り下げた、質の高いコンテンツを作るためには、一般の人以上に扱う分野に対しての知識が必要だという事を覚えておきましょう。

分野を考えるうえで使えるサイトをご紹介

どのような分野を扱うかやみくもに考えるよりも、以下のようなサイトを活用することで、より頭を活性化できます。

■iタウンページ

iタウンページは、NTTタウンページが提供するインターネット版電話帳となります。業種ごとにカテゴリ細分化されており、掲載数も合わせて確認できるため、その分野の可能性を探ることが出来ます。

■GoogleAdWordsキーワードプランナー

GoogleAdWordsキーワードプランナーの利用には、AdWordsのアカウントが必要ですが、もしお持ちであれば、一度使ってみることを強くお勧めします。キーワードプランナーでは、キーワードごとに、月間の検索数を調査することが出来ます。月間の検索数が多いキーワードから逆引きして分野を決めるという手もあります。

■Yahoo!JAPANのディレクトリ検索

iタウンページは実在する店舗ごとの掲載ですが、こちらはウェブサイトごとの掲載となり、店舗型のカテゴリ分類よりも、店舗というくくりが無いため、ユニークな分野がたくさんあります。

扱う金額が大きい分野のポータルサイトの懸念 (不動産ポータルの場合)

不動産を扱うポータルサイトを例にしてみますと、不動産会社が登録している土地や中古マンション、新築一戸建て、中古一戸建てなどを検索できるようにして、購入希望者からそれらの物件に対して反響をおこしてあげる、というのがポータルサイトの役割となります。

不動産の場合、扱う物件の金額が数百万円単位はむしろ少なく、数千万円単位が当たり前です。エリアによっては億を超える場合もあります。

そのような大きな金額を扱うポータルサイトの場合、ポータルサイト上からの問い合わせで、契約、成約まで一貫して完結してしまうのは不可能に近いです。

購入者の気持ちになって考えてみればわかるのですが、数千万円もの土地を、amazonなどで本を買うかのごとくぱっと購入できるでしょうか?

出来ませんね。まず、その土地を見てみたい。その土地の周りの環境を見てみたい。そしてその物件を扱っている担当者がどんな人かあってみたい。っと思いますよね。

その土地を見に行く時点で、サイトから一旦離れてしまいます。運営管理画面上にいつだれがどの物件に問い合わせたかの履歴は残っていたとしても、その後のオフライン(サイト上ではないところ)での動きを追跡するのは難しく、成約の有無を把握することが難しくなります。

では、成果報酬といった課金モデルは不可能なのでしょうか?

これは次の「扱う金額によって課金モデルの選択肢が変わる」で解説していきます。

扱う金額が大きい分野のポータルサイトの懸念 (不動産ポータルの場合)

まったく馴染みが無い分野を扱う場合、その分野に対してまず勉強をするところから始めなくてはいけません。

もちろん馴染みがある分野でも、さらなる向上のための勉強は必要となりますが、ゼロから知らない分野に対して勉強するというのはそれほど簡単なことではないと思います。

ポータルサイトを運用するというだけでも、それ自体が新たな試みとして勉強をしていくということなので、それにプラスして、新たな勉強要素を取り入れるのは、よほどの努力が必要になることが予想されます。

馴染みのある分野という事は、そこに多少なりとも興味があるというケースが多いです。興味があれば、勉強する意欲もわいてきます。

勉強することで得た知識を、ポータルサイトにコンテンツなどで盛り込むことにより、サイトの専門性が高くなり、Googleからの評価も高くなります。また同時に、そのような専門性の高いサイトにはコアなユーザが集まります。

薄く広い情報はすでに他のサイトに掲載されているはずです。さらに深く振り下げた、質の高いコンテンツを作るためには、一般の人以上に扱う分野に対しての知識が必要だという事を覚えておきましょう。

扱う金額によって課金モデルの選択肢が変わる (不動産ポータルの場合)

だれから、どのタイミングで、どのように費用を徴収するのか?

不動産のポータルサイトの場合、物件を探しているエンドユーザからの費用の徴収は、まず考えられません。なぜなら他のサイトで無償で物件を検索できるからです。よほどの強みが無いと、エンドユーザからは費用は徴収できないと考えるべきです。

そうなると、物件情報を掲載する企業から費用を徴収することとなります。では、どのようなタイミングで費用を徴収できるのでしょうか?

この場合考えられるのは、

①システム利用料金(登録物件数上限なし、月額5万円)
②物件掲載毎に課金(100物件までは月額3万円など)
③物件への反響ごとに課金(問い合わせ1件に対し2000円など)
④成果報酬(成約1件に対し成約費用の1%など)
⑤オプション機能(この機能を使うと1万円など)

などです。かなり幅広い選択肢がありますね。大きな金額を扱う場合、大は小を兼ねるかたちで、どのような課金方法も選択できます。

せっかくなのでそれぞれの特徴を紹介しましょう。

システム利用料金とは、月額、年額などで定額の手数料を徴収するモデルです。運用初期は閲覧者も少ないため反響を期待できませんので、掲載獲得のための営業が難しくなります。ただ、安定した掲載数を獲得できれば毎月の収益が安定しやすくあります。

物件掲載毎の課金は、物件掲載数によって課金額を上下させるモデルです。某不動産検索サイトはこのモデルですね。これもシステム利用料金と同じく、掲載獲得には営業力が必要です。これもシステム利用料金同様安定した掲載数を獲得できれば毎月の収益が安定します。

システム利用料金や物件掲載毎の課金モデルは、費用が固定的になるため、収益としては安定しますが、反響が出るかどうかわからないサイトへ固定費用を支払うことに難色を示す企業も少なくないので、それをひっくり返すだけの営業力が必要となります。

物件への反響ごとに課金は、掲載自体に費用がかかるわけでは無いので、上記のように固定で費用がかかるモデルよりも、掲載営業のハードルは下がります。ただ、反響の質をしっかりと管理していかないと、掲載企業からのクレームになってしまいます。

成果報酬は、成約してはじめて費用を徴収するため、掲載獲得のハードルはさらに低くなります。ただ、成約の把握に多少コストがかかります。一般的な手法として、ユーザにお祝い金を付与して、成約を教えてもらうかたちをとっています。エンドユーザー側にお祝い金をあげるから、成約したら運営事務局に連絡してね、という感じですね。最近では多くの求人サイトがこの成果報酬型を採用しています。

成果報酬の場合は、それを把握するためのお祝い金や、電話追客のためのコストを手数料に乗せる必要がありますので、通常高めに設定します。他の課金モデルに比べると、少々ハンドリングにコストがかかりますが、成果が出てからしか費用を徴収しないため、企業からの受けはよく、掲載獲得の営業ハードルも低く、成約した際の手数料も大きいため、多くのWEBメディアがこの課金モデルを採用し始めています。

あとは、オプション機能という考え方です。フリーミアムなどとも呼ばれております。基本料金は無料にして、ある機能を使おうとすると、プレミアム版を使ってください、と課金するタイプです。レシピサイトの最大手「クックパッド」がこのフリーミアムを採用しています。レシピの検索は無償会員でもできますが、人気順に並び替えを行う機能などをプレミアム会員のみが使えるように制限をかけたりしています。

扱う金額が小さい場合はどうなのか?

扱う金額が小さな場合は、どのような懸念、また課金モデルの選択肢があるのか解説していきます。

例として、翻訳者を探せるポータルサイトを考えてみましょう。

弊社とお付き合いのある翻訳会社さんに受注単価をお聞きしたところ、約3万円前後、とおっしゃっていました。

不動産の数千万円という単価と、この3万円という単価の差は、、、大きいです。

3万円の仕事を受注するために、翻訳者はサイトにどれほどの広告費用を支払えるでしょうか?

以下、不動産ポータルの場合と比較していきましょう。

①システム利用料金

月または年で徴収するシステム利用料の場合は、相当価格を下げてあげないと、そもそも受注単価が低いため、翻訳者登録の妨げになるでしょう。また銀行送金などで振り込みをしてもらうと、それの管理だけで利益が相殺されてしまうため、クレジットカード決済などを導入して、すべての決済フローを自動化する必要があります。

②掲載毎に課金

これは不動産のように物件を掲載するわけでは無く、自分自身のプロフィールや実績などを掲載するため、該当しません。実績を○○件登録するごとに課金、は非現実的ですね。

③反響ごとに課金

そもそも単価が低いため、反響時の課金単価も相当低く設定する必要があり、数百円という単位になるでしょう。翻訳者への報酬を支払い際の振込手数料代を、支払うべき報酬から差し引くと、翻訳者が受け取る報酬が雀の涙しかない、ということも考えられます。

この場合は、報酬額をポイント化などして、ある一定量の報酬ポイントが貯まったら、換金できる仕組みを作る、などの考慮が必要です。

④成果報酬

受注単価がもともと低いこのようなケースでは、成約の把握のためにコストをかけることが出来ません。ですので、反響から成約までの流れを全てサイト上で完結できるようにする、などの設計が必要です。反響から成約、入金、納品までをサイト上で完結できるようオートメーション化して、出来る限り運営者が、アナログで介入するのを防ぎます。でないと、3万円の受注額から受け取れる成果報酬額は多くて2割の6000円です。

6000円の収益のために、人一人が動けるのは、せいぜい1時間程度です。出来る限りの業務をオートメーション化して、低い単価の収益の目減りを防ぐ必要があります。

⑤オプション機能

基本料金を0円にして、フリーミアムのみでマネタイズをするのは現実的ではありません。他の課金モデルと併用することで効果を得られます。基本料金は月額費用として徴収して、プレミアム会員であれば、上位に表示がされる、トップページのオススメの領域に表示がされる、などの差別化を考えられます。

以上どうでしょうか?扱う金額が小さくなると、課金モデルの選択肢も狭まる。また収益も薄いため、それに携わる管理もオートメーション化して、運営コストを下げなければなりません。

また、翻訳という性質上、文字数で単価が決定されるため、翻訳者と発注者が実際に顔を合わせて、オフラインで合う必要がない、というのも不動産ポータルとは両極にあるのです。

どのような分野がポータルサイトに向いていますか?のまとめ

分野は馴染みがある、または興味がある分野にしましょう。

扱う金額が大きな分野の場合、オフライン上のやり取りが増えます。また課金モデルの選択肢が多いです。

扱う金額が小さな分野の場合、運営事務局が徴収できる手数料も少ないため、オンライン上ですべてを完結させる必要があります。また課金モデルの選択肢も狭まります。

まずは扱う分野を考え、受発注者間で動く平均受発注単価を見極め、そこから課金モデルを考え、どのようなシステム設計が必要かを検討しましょう。

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